Prf.喜多 健 プロフィール

☆GIA.,G.G. (米国宝石学会・宝石学終了者)
☆日本ジュエリー協会認定・ジュエリーコーディネーター2級
☆NHK文化センター京都教室
「プロから学ぶ宝石学」毎月第4土曜日午前開講

☆近鉄文化サロン阿倍野
「絵画の中の宝石」毎月第1水曜日午前

☆定例会・宝石とジュエリーの有志勉強会tsunagu
 基本的に毎月第2、第4日曜日、午前クラスと午後クラスで開講

「宝石トピックス① 
 ダイアモンドが最も硬いなら、ダイアモンドはどうやって研磨するのか?」​

ダイアモンドを研磨できるものは、ダイアモンドだけです。ですが、同じ硬さだから研磨できるという表現は、不適切です。

同じ硬さ同士なら、盾と矛の話と同じになります。ダイアモンドで、ダイアモンドが研磨できるのは、ダイアモンドが実は方向によって硬度が僅かに異なるからです。

まず、一般に言う「硬さ」は、物理学的には引っ掻き・磨耗に対する抵抗力である硬度と、打撃・衝撃に対する抵抗力である靭性とが混ぜ合わされて扱われています。

「ダイアモンドが、世界一硬い」というのは、硬度においてのことで間違いではありません。

その一方、ダイアモンドは、炭素の結晶であることの理解が必要です。結晶とは、その構成原子が三次元に規則正しい配列をなした個体であるということです。

原子が結晶化すると、その配列には周期性と異方性の特徴を持ちます。周期性とは、結晶の一方向では原子が同じパターンで繰り返して配列しているということです。異方性とは、その原子の配列パターンが、方向により変わるということです。

原子の配列パターンが変わると、方向によって同じ面積の中に存在する原子の数が変わります。当然、より多くの原子が存在する面が、他の面より硬度が高くなります。ダイアモンドの研磨は、これを応用しています。

ダイアモンドの研磨は、まず吹けば飛ぶような微細な粉にしたダイアモンドを松ヤニのような樹脂と練り合わせたペーストを平らな研磨盤に塗りつけて(車のワックス掛けのように)、その研磨盤を高速で回して(1分間に6000回転ほど)、そこに研磨するダイアモンドを押し当てて、ほんの僅かづつ研磨して行きます。

高速で回る研磨盤の表面には、微細なダイアモンドがビッシリ付いていますので、ダイアモンドのヤスリと同じです。その微細なダイアモンド一粒ずつの硬度は違っても、無数にあるため最も硬度の高い面が現れていることになります。ここに研磨するダイアモンドを、僅かに硬度が低い方向で当ててやると研磨が出来ます。

ダイアモンドを研磨する職人は、その方向を一面一面確認しながら研磨して行きます。

方向を間違うと、冒頭で記述した矛と盾のように研磨できません。それどころか、研磨盤に間違えた方向でダイアモンドを当てると「キーン」とか「キャーン」という物凄い音が立ちます。これを研磨職人は「スカイフ(研磨盤)が泣く」と表現します。

高速で回る研磨盤で研磨すると、当然研磨されているダイアモンドは、摩擦熱を帯びます。「焦げたりしないのかな?」と思われた方は、なかなか良い着眼えおお持ちです。確かに、研磨盤に当てられている時のダイアモンドは、高熱を帯びています。

が、ダイアモンドは、銀(身近な金属で高い熱伝導性を誇る)の約5倍の熱伝導性を持ちます。つまり、加熱しても熱が溜まりません。その特性からも、研磨が可能です。

研磨で生じた摩擦熱は、次々に熱で放出されますが、何百万個に1個程度で、この摩擦熱を可視光線に変換して逃がすダイアモンドが存在します。当然、それは研磨している時だけしか見られません。研磨職人だけが見られるダイアモンドの隠れた一面です。

私は、これまでにたった一度そのタイプのダイアモンドに出会えました。そのダイアモンドは、研磨盤の上でまるでルビーのように深紅に光輝いていました。その時担当されていた研磨職人は、「30年以上ダイアモンドの研磨を手掛けて、このタイプのダイアモンドに出会えたのは3個目です」とおっしゃれた言葉が、その輝きと共に深く心に刻み込まれています。

多くの方々が、結婚の機にダイアモンドリングを贈り贈られされたでしょう。そのダイアモンドも(通常小さな58面)こうした行程を経て、お手元に届いています。改めて、お手元のダイアモンドを見直していただくきっかけともなれば嬉しいです。

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